「何度言っても直らない、やり方を教えてもできない場合はどうすればいいの?」
「できる部下を育てる指導法があれば知りたい!」
このように直属の部下に頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
一体どうしたらよくなるのか、ミスが起こらなくなるのか、改善されない姿を見ると教え方にも疑問を持ち始めますよね。
そこで当記事では全然仕事ができない人への間違った指導法と正しい指導法の違いについて徹底解説していきます。
全然仕事ができない人への間違った6つの指導法とは

仕事ができない人も最初はスタートラインが一緒です。
場合によっては仕事ができない人を作り上げてしまった指導にも問題があるケースがあります。
それでは具体的な全然仕事ができない人への間違った6つの指導法について下記を中心に解説していきます。
肯定せず否定ばかりする
部下の取り組んだことを否定ばかりしていては、部下の肯定感も下がります。
このように否定ばかりされることで「どうせ言われる」という認識が身についてしまうので、積極的な行動に結びつきません。
その結果、自分から発信しない、動かない部下ができあがってしまうのです。
1から10まで管理してしまう
1から10まで管理してしまうと、部下は窮屈に感じてしまうもの。
このように反発を買うことになり、結果的に指示に従わない部下が出てきます。
サボり始める、真面目にやらないなど規則が厳しくなればなるほど逆に行きたくなるのが人間です。
部下の裁量を大事にできないと、自信にも繋がりませんし何か起きても誰かのせいにするでしょう。
話を最後まで聞かず端折ってしまう
部下の話を最後まで聞かずに、自分の話ばかりで端折ってしまうと相談する気も失せます。
話し上手な人よりも聞き上手な人のところに人は集まるもの。
「どうせ聞いてくれないんでしょ」となってしまってはコミュニケーションも疎かになってしまいがち。
部下の抱えている悩みや問題と向き合う回数も減ってしまうので、適切なアドバイスが行えないことも増えてしまうでしょう。
その日の気分で対応が変わる
その日の気分で、その日の感情で言い方や教え方がコロコロ変わってしまっては部下も戸惑います。
例えば上司がイライラしていたとしたら、ミスしたことを過剰に叱責したり追及することもあるでしょう。
しかも言っていることが前に教えてもらったことと違えばどちらを優先すればいいのか悩みますよね。
このように話しかけづらい空気感では部下との信頼関係も築くのは困難です。
「この人に教えてもらいたくないな」と思う部下は相談しづらいため、成長するスピードは遅くなりますよね。
指示ばかりで意見を聞かない
やりたいこと、意見に耳を傾けないと部下のモチベーションは下がります。
仕事は人がするものであって、そこには感情が付いて回ります。
その感情を無視してしまうと、部下も「ここは居場所じゃない」と転職を考えてしまったり部署異動を検討するでしょう。
そして自分で考えて失敗していないので、学びにもならず考えることを放棄してしまうことに繋がります。
馬鹿にするような上目線の言い方
部下を馬鹿にするような上目線の言い方で嘲笑していてはメンタルも落ち込んでしまいますよね。
こんなことを言われて誰も良い気分にはなりませんし、会社に来る・仕事をすることも嫌になってしまいますよね。
それに立場上、部下は上司に言いづらいですから仮に冗談だったとしても笑えません。
しかも同僚がいる前、人がいる前で叱責されたら最悪です。
辱めを受けて、自分が頑張った成果が尊敬できない上司のモノになってしまってはやる気も失せるでしょう。
全然仕事ができない人にイライラする6つの原因とは

仕事ができない人を指導していると「何でそうなる?」とイライラしてしまう上司も多いはず。
実際に私自身、管理職をしている立場で人間なのでイライラした経験もありますし、これ以上教えたくないと思ったことも正直あります。
そんな全然仕事ができない人にイライラする6つの原因は下記の通りです。
また「どうしてこんなにイライラしてしまうんだろう」と悩んでいる方は以下を参考にしてみてください。
分からないことを聞きにこない
分からないことを聞きこないで、ミスをしてしまうと上司は「事前に防げたのに」とイライラしてしまうでしょう。
ただ仕事ができない部下は分からないことが分からないので聞きに来る意味を見出せません。
気になることや疑問、不安に感じたことがあれば聞き来て欲しいと伝えても「気付き」が少ない人には響きません。
応対がとんちんかんなことを言っている
仕事ができない人は質問の応対がとんちんかんなケースが多いです。
質問した意図と違う答えが返ってきて、正確に把握するまでに時間がかかってしまいます。
さらに心配なのは取引先との関係性ですよね。
この応対が上手にできない部下の取引先からは以下のようなクレームも入ります。
このように会社の信用度を失い、尻拭いとして上司が謝りにいかなければなりません。
何度教えても違う形で答えを出されてしまうと、上司も疲弊してしまうでしょう。
謝ることが口癖になっている
「すみません」と謝ればなんとかなると勘違いしている部下も存在します。
特に謝ることを前提に仕事を設計されてしまっている時は厄介です。
言葉とは裏腹にミスを自分事と捉えていないケースも少なくありません。
「謝れば上司が何とかしてくれるでしょう」と問題解決のための考えや行動は二の次。
結局同じようなミス、問題を繰り返しながらその場しのぎの仕事しかできなくなってしまいます。
これでは上司もさすがにイライラしてしまいますよね。
指示した仕事への取り組みが遅い
上司から指示されたにもかかわらず、取り組みが遅いと上司としては「何で?」と思いますよね。
デスクも近くて側で仕事を見ている上司からすると時間の使い方が効率悪いと結論づけてしまいます。
新卒ならまだしも、入社して何年も経ってるのであれば「いつになったら仕事ができるようになるんだ」とイライラしてしまうでしょう。
また報告書やレポートの提出が遅い社員は基本的な書き方を理解していないかもしません。
新人でも分かりやすい書き方のポイントについては以下を参考にしてみてくださいね。
同じことの繰り返しで成長が見えない
何度言っても改善されない、改善する様子が見られないのでは教える側も時間を費やした意味が失われてしまいます。
上司は上司でその上の立場から、改善されない部下のことで怒られます。
間に挟まれている管理職としても辛いものがありますよね。
言っているのに、伝えているのに直らない姿を目の当たりにしてイライラしてしまう上司も少なくないでしょう。
抜け漏れやケアレスミスが続いてしまうを防ぐ対応策については以下を参考にしてみてくださいね。
全然仕事ができない人は見切りをつけるのも必要?実体験を語ります。

結論から言うと、人はそうそう変わりません。
長年培ってきた人格や性格、今までやってきた自分なりのルールを変えようとするバイタリティーのある人の方が少数派です。
そして成長する気がない、直す気がない、変化が見られないと誰にとってもメリットがありません。
ここからは実体験を交えて解説していきます。
仕事ができない部下を見切ったキッカケ
毎月のように取引先に謝罪をしに行かなければならない、自分の仕事もままならない、精神的なストレスで円形脱毛症になった際に部下を見切りました。
なぜ教えた通りにやってくれないのか、どうして再三言っても真意が伝わらないのか疑問しかありませんでした。
何をやってもうまくいかない、これではお互いにマイナスしかないと思い始めたのを今でも覚えています。
ただ見切ったと言っても無視をするということではありません。
ひょっとしたらこの仕事自体が能力的に合っていないと疑い始めたのです。
適性を見て仕事に見切りをつけることも必要
その人の性格や人間性、また能力など今の仕事自体が合っていない可能性もあります。
本体何かしらの才能があるのに、咲かせる場所を間違えてしまっては花も咲きませんからね。
自信も失っていましたし、新しい環境で一から頑張ることで良い変化もあるかもしれないと。
散々迷惑をかけていた彼も他部署では生き生きと働き始めたのです。
毎日イレギュラーに対応する仕事よりも、同じことを繰り返すことで安定した仕事ができていました。
彼の仕事振りにはイライラしたりがっかりしていましたが、人間性は他人思いの優しい人だったのでうまくいっていることに心底ホッとしました。
同じ環境で歯を食いしばって頑張ることが美徳と考える人も多いでしょう。
ですが、一つのことに拘り過ぎてその人の可能性を潰してしまうこともあるかもしれませんよ。
適性を見てあげることも上司の仕事なのではないかと考えさせられた経験でしたね。
全然仕事ができない人への正しい6つの指導法を解説!

部下を育てる上で最も重要なことは人間関係をきちんと築くこと。
そして部下に変わることを強要することは責任を転換していること、変わって欲しいならまずは自分から変わりましょう。
それでは具体的に全然仕事ができない人への正しい6つの指について下記を徹底解説していきます。
部下が相談しやすい環境を意識
部下が上司に話しやすい、相談しやすい環境を意識しましょう。
気持ちが楽に話しかけられる部下は、ちょっとしたことでも質問や相談をしてくれるようになります。
ただ「話しかけやすい環境ってどうやって作るの?」と疑問に感じる方もいるでしょう。
要するに相手に変わることを求める前に自分が変わることがポイントです。
そして恐い顔はしないこと、作り笑顔でもいいので受け入れてくれる空気感を持ちましょう。
大事なことは部下が本音できちんと話してくれること。
忖度なく向き合える関係性を作ることで、業務効率も上がるでしょう。
できないことよりできることに目を向ける
失敗が多いとどうしてもできないことを指摘したり、ダメな部分に目が行きがち。
責めることは簡単ですし、怒りを覚えてしまうのであればそれは「怒る」と決めた感情の問題です。
ミスをしない人間はいませんし、ミスを繰り返してしまう原因の一つには「失敗できない恐怖感」があるのかもしれません。
ミスできないと意識しすぎてしまうと、不思議とミスを誘発してしまうものです。
責められて怒られて「ちくしょーやってやる」と思える人の方が少ないでしょう。
相手が素直に聞き入れやすい言葉や表現を使うことで、取組み方が前向きに変わります。
「どう思う?」と考え方を知る
部下がどのように考えているのか、興味を持つことで相手も興味を持ってくれます。
例えば部下がミスをした場合、頭ごなしにミスの原因を追究したり叱責するだけでは発言もできません。
一方的に決めつけられてしまっては部下も立つ瀬がありません。
考え方を知る、その後の行動についてどうしたいのか意見を求めることで部下の意見も尊重することができます。
何かあってもちゃんと話を聞いてくれると安心して仕事に取り組めます。
どうしたらいいのか分からない場合には部下の方から相談をしてくれるでしょう。
簡単な仕事をクリアさせて自信をつける
仕事ができない部下は達成した経験、成功した体験が圧倒的に少ないもの。
能力は正しい努力できちんと磨かれます。
最初から高いハードルを設定してしまうと、当然できない確率が上がりますし「ダメなやつ」と自信を失ってしまいますからね。
ハードルを低く設定して小さな勝利を積み重ねられるように設計してあげましょう。
仕事以外の共通の話題を持つ
表面上は上司と部下という関係性ですが、仮にもっと近しい存在だとしたら指導する際の関わり方も変わるのではないでしょうか。
友人関係だったらもっと優しく見守れるかもしれませんよね。
その理由は相手の性格や好みを知っていて自然に合わせようとするからでしょう。
気軽に話せる間柄だからこそ本音で語りかけてくれる言葉がそこにはあります。
真意や思いを汲み取ってあげることで、部下もちゃんと見てくれている安心感を得ることができます。
「この人のためにも仕事を頑張りたい」と思えることで考え方も行動にも積極性が現れますからね。
目標から逆算した行動を身につけさせる
仕事ができない人の特徴で一番多い回答が「優先順位が付けられない」でしょう。
なぜ優先順位が付けられないのかを考えてあげなければなりません。
どこに向かって頑張ればいいのかが分からないと優先順位が付けられません。
そしてゴールが決まれば、たどり着く為に何をすべきなのかを考え始めます。
この逆算ができるようになると優先順位付けは容易になりますよ。
目標までの道筋と言われているロードマップの作成方法については以下を参考にしてみてください。
まとめ ~全然仕事ができない人だけの責任にしない~

以上、仕事ができない人の指導について様々な情報を解説してきました。
仕事ができない人を指導することで仕事ができる人になって欲しいという上司の気持ちもありますが、一方的な指導は逆効果。
子供ではなく大人を変えることは今までの経験や価値観を覆すことになるので容易ではありません。
「どうしてこんなに教えているのにできない」という気持ちは自分勝手な見返りや期待を押し付けている可能性も否定できませんよね。
相手に求めるなら、まずは自分から動くこと。
年齢差や立場の差というプライドは置いておいて、声をかける、話を聞くなど言葉が届くような人間関係を作ることから始めてみましょう。
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