「ルート営業の苦労する部分とやりがいが知りたい!」
「どんな人がルート営業に向いてる?」
このようにルート営業を就職先に検討しているため、詳しい情報を知りたい方も多いはず。
自分に合うのか、合わないのか入社前に判断基準が欲しいですよね。
そこで当記事ではルート営業に転職した未経験者が語る赤裸々なやりがいと苦労について徹底解説していきます。
ルート営業に転職した未経験者が語る!ルート営業とはどんな仕事?

当記事を編集している私はルート営業に未経験から転職して10年働いています。
完全に未経験者だったからこそ、興味のある方にも分かりやすく「ルート営業とは何ぞや?」について解説していきますね
まずはルート営業の基本概要について下記を確認していきましょう。
- 基本的には既存顧客中心の仕事
- ルート営業の傍ら新規営業も行う
基本的には既存顧客中心の仕事
ルート営業の「ルート」とは既に取引されている既存顧客先を回ることを意味します。
自社サービスや商品を納品している企業や小売店などに訪店するということ。
主だった仕事内容は以下の点が挙げられます。
このように既に取引している既存顧客の数字をどのように伸ばしていくかがメインの仕事です。
ルート営業の傍ら新規営業も行う
ルート営業について詳細を書かれているサイトを見ると「新規活動はしない」というニュアンスがありますが、全てがそうではありません。
ルート営業で訪問している最中にも飛び込み営業活動を行うことは多々あります。
例えば既存顧客の数字が下がったらどこで補えばいいのでしょうか。
他の取引先に無理に納品させるわけにもいきません。
新規契約を取り新たな市場を作らなければ、マイナス分は補えませんからね。
ルート営業に転職した未経験者が語る!ルート営業の3つの仕事内容とは

続いてルート営業の具体的な仕事内容について確認していきましょう。
10年の経験を踏まえてお伝えさせて頂くのでよりリアルな内容になっていますよ。
主だった重要な仕事内容は以下の3つになります。
次節より詳しく見ていきましょう。
既に取引している既存顧客との売上アップ
既に取引している既存顧客の売上アップは会社の利益、そして自身の収入に直結します。
だからこそ安定した会社運営において売上アップは欠かせません。
では具体的に売り上げアップに対してどのような行動が必要か、いくつかまとめてみました。
定期的な訪問の中でこれらを繰り返し行っていきます。
そして最も大事なのはいかに優先順位を上げてもらえるかです。
特に小売店の場合は、競合他社も合わせて存在しているので自社商品が販売できるよう優先度を高めてもらわなければなりません。
そのためには商品の魅力だけでなく、営業としての付き合い方、あなたのために頑張ると思ってもらえる活動が不可欠です。
既に取引している既存顧客への新商品提案
ルート営業は取引先に自社商品の新商品や企画品を納品してもらえるよう提案をします。
普段の発注による数字と合わせて大きな数字を見込むためです。
また競合他社がいる場合は、新商品や企画品を通して他メーカーからの切替を狙います。
なぜこれが必要なのか、また販売するとどんなメリットがあるのか、プレゼンテーションをしていきます。
ここで魅力が伝わらなければ掲げている目標も達成できず、前年割れの数字になる可能性すらあるため提案力が問われる場面ですね。
既に取引している既存顧客へのフォローアップ
取引店からは多岐に渡り様々な依頼や要望が舞い込んできます。
このようにどのくらい本気で真剣に身を粉にして取引店と向き合えるかで、相手の行動が大きく変わるのです。
「これぐらいでいいや」と思いながら付き合うと大した結果はついてきません。
売上を伸ばしたいという純粋な思いは行動や言動に現れ、その思いはしっかりと伝わるもの。
その本気度に胸を打たれた取引先と手を取って頑張っていけるようにするのがフォローアップです。
ルート営業に転職した未経験者が語る!ルート営業に向いている人の5つの条件!

未経験から10年に渡ってルート営業を経験し、部下を教育した中で向いてる人にはある条件があります。
ルート営業職を希望してる方は自分に向いているのか、向いていないのか一つの判断基準として確認してみてくださいね。
それでは具体的なルート営業に向いている人の5つの条件について下記を解説していきます。
聞き上手で意見を引き出すことができる人
聞き上手で意見を引き出すことができる人はルート営業に向いています。
沢山提案をすることよりも聞き上手の方が大事です。
ルート営業は相手に好かれなければ本心を引き出すことができず、人付き合いになりません。
「この人に聞いて欲しい」「話をきちんと聞いてくれる」ことは信頼の現れ。
商品の提案も相手が求めている形で提供できなければ、それは一人よがりの営業活動になってしまうのです。
お世辞やおべっかを平気で言える人
商品を取り扱ってくれたからと言って勝手に売上が立つわけではありません。
売上を上げるためには、顧客がサービスや商品を推奨してくれなければ受注もないということ。
仮に大したことがないとしても「〇〇さんの活動素晴らしいです、ありがとうございます」と相手のモチベーションアップを図ることが大事。
時にはムッと言いたいことがあっても相手にプラスになるように言葉遣いを気をつけないといけないのです。
特に年齢を重ねているほど営業に褒めらえることが当たり前だと感じている方も多いため、おべっかも必要となります。
他人のためにきめ細かく動ける人
ルート営業は信頼が第一、信頼されなければ最悪出禁ということもあり得ます。
他人のためにきめ細かく動ける人は相手にも思いが伝わるので、感謝され良い営業活動ができます。
何かあれば電話を一本入れる、売上が立てば販売のお礼をする、不安や課題点が見つかれば即行動するなど言葉よりも行動で示すことが重要。
フォローアップの質が良いと取引先の顧客は安心して仕事に取り組めるのです。
自分のファン作りができる愛想が良い人
会社の商品やサービスは探せば似たような同業他社は沢山あります。
その中で自社商品を販売してもらうためには、まず自分のファンになって貰わなければなりません。
話が上手な人は沢山いますが、それだけでは上手く物事が進みません。
愛想が良く人柄が良い人が取引先の顧客に好かれ信頼されます。
例えば小売店であれば、全員にきちんと挨拶ができている、英顔で応対しているなど基本的なことができていない人が意外と多いのです。
だからこそ人に好かれるスキル「愛想の良さ」は信頼という魅力に繋がります。
分析好きで人の成功を喜べる人
ルート営業は顧客の状況を分析して問題点や課題点を見出していくことが仕事です。
ビジネスパートナーという側面もありながら、同じ目的を持って進んでいく仲間でもあるのです。
だからこそ取引先の利益になること、喜ぶことを率先していける人ほど結果も自然とついていきます。
ルート営業に転職した未経験者が語る!10年働いて感じた7つの苦労

未経験からルート営業に転職した10年の間は良いことばかりだけではありませんでした。
やりがいを感じるからこそ、それに伴う苦労も存在するのです。
本章ではルート営業に転職した未経験者が10年働いて感じた7つの苦労について下記を解説していきます。
顧客からの理不尽な要望
取引先の顧客という関係上、人によっては対等ではなく「営業なんだから」という接し方で理不尽な要望を伝えてくる場合もあります。
このように他の仕事が立て込んでいる、スケジュール調整が難しいと言っても聞く耳を持ってくれない人もいます。
そして理不尽な要望を叶えたとしても会社から賞賛されることはなく、当たり前のように消化されます。
仮に叶えられなければ、直属の上司や本社宛てに「営業がちゃんと仕事をしない」「担当を変えてくれ」と自分本位な取引先も存在するのです。
理解してもらえない歯がゆさはストレスにも繋がります。
休日でも関係なく連絡が来る
ルート営業の場合、基本的には土日休みが多いでしょう。
そして取引先が主に小売店など店舗であれば、通常通り営業しています。
例えば商品のクレームや対応の方法、欠品など様々な内容です。
休みの日に支給されている携帯が鳴ることで、休日でも仕事をしている感覚になることも少なくありません。
問題の程度によっては休日の予定を変更して直接小売店に出向き、対応を迫られるケースも。
前任担当者と比較される
取引歴が長い顧客であれば当然ですが、前任担当者も何人かいるということ。
仕事振りや対応、コミュニケーションの取り方など前任担当者と比べられることが発生します。
「前任者は〇〇をしてくれた」というように行動や言動が比較対象になるのです。
前任担当者が取引先に尽くしていれば仕事の引継ぎもスムーズで仕事もしやすいですよね。
一方で自分の損得で会社のルールを無視して身勝手な仕事をしている場合は、仕事の整理も余儀なくされるため嫌な役目を買わなければならないのです。
ルート営業は何でも屋
ルート営業は基本的に何でも屋です。
商品の提案だけでなく、販促物を作成したり、納品フォローをしたり、時には取引先の愚痴を聞いたりメンタルケアなど業務は多岐に渡ります。
いざルート営業をしていく中で「それは営業の仕事なの?」と思う場面にも遭遇するでしょう。
言い方を変えれば、それぐらいルート営業は様々な業務をこなして数字を作るのが仕事です。
人が選べないため人間関係によるストレス
ルート営業は既に取引している既存顧客を選ぶことはできません。
何十件と担当をしている中で良い人もいますが、そうでない人も必ず存在します。
数字が大きければ、相手の求めてくる要望や要求も必然的に高くなっていくのです。
そのため人間関係によるストレスでイライラしたり、思わずため息をつきたくなることもあります。
給料が上がりづらくインセンティブがないことが多い
ルート営業のルーティンワークは既存顧客の取引先をフォローアップし数字を作ること。
例えば集客力の高い小売店を担当していれば、条件にも恵まれ数字の確保も容易です。
一方で集客力の弱い小売店の担当になれば、決まった来店数の中でメーカーのシェアを拡大しなければなりません。
要するに営業が頑張っても微力な上がり方しかできないところもあれば、頑張らなくても数字が上がるところもあります。
新規営業のように個人の頑張りで契約といった分かりやすい成果が可視化しづらいのです。
またあなたが自分の数字目標を達成したとして、他の人がマイナスで終わったら補う形になります。
このように営業全体で目標を追いかけることが多く、会社全体の数字が上がらなければ給料も増えません。
また新規営業に割く時間も少ないので、インセンティブがない企業も多いでしょう。
年功序列のキャリアアップ
ルート営業では新規営業のように成果が可視化しづらいというお話をしましたね。
成果が可視化しづらいということは営業個人の頑張りも評価しづらいということ。
取引先に嫌われている、出禁になっている先輩が係長や課長を務めているということもありました。
そういった先輩の尻拭いをしたとしても、この年功序列に中々勝てずにジレンマを感じることも。
新規営業では契約数による売上が直接的に貢献度として反映されるため、実力社会で年齢関係なく出世します。
ルート営業への転職は未経験者でも向いている?向いていない?

実際に私自身、未経験からルート営業に転職した経験から言うと未経験でもやりやすいのがルート営業です。
なぜ未経験でもやりやすいと言えるのか、大きな理由は以下の3つが挙げられます。
このように一から数字を作る必要がないのです。
未経験でいきなり100万売り上げを作って来いと言われても難しいですよね。
仕事のやり方、進め方、関わり方を前任者が道筋立ててくれているので後任はそれに沿うだけ。
仕事に慣れてくれば自分なりの考えを形にして数字に反映させればいいのです。
仮にうまく仕事ができなかった月があったとしても既存顧客が抱えているお客様のリピートで数字が毎月上がります。
そしてどんな仕事であっても利益が出なければ給料が貰えません。
毎月の数字の目標に向かって取り組むのは、ルート営業に関わらずそんな職種でも同じと言えます。
ではルート営業にどんなやりがいがあるのか、次節より詳しく解説していきます。
ルート営業に転職した未経験者が語る!10年働いて分かった7つのやりがい

ルート営業としてのやりがいは人の価値観によって感じ方が異なります。
数字が上がることにやりがいを感じる人、取引先に感謝されることにやりがいを感じる人など様々です。
それでは実際に10年ルート営業を経験して分かった7つのやりがいについて下記を解説していきます。
取引先の実績が上がれば感謝される
ルート営業の目的は取引先の実績を上げて互いにwinwinの関係性を築くこと。
取引先に利益をもたらすことで、自分たちの利益を増やしていくことが仕事です。
担当した営業は取引先ん担当者と密に数字アップに向けて商談を行い、ともに課題点や問題点の解決に取り組みます。
実際に私の担当変更の際、「あなたが担当してくれたおかげで今がある、本当にありがとう」と涙ながらに感謝とお花を頂いたことがあります。
仕事をして行けばミスも問題も起こり大変な時期もありますが、想いが伝わっていくことが営業冥利に尽きると言えます。
一緒に数字を作っていく仲間意識
取引先の担当営業として良い時も悪い時も一緒になって仕事をしていくことは仲間意識が強まります。
一緒になって目標達成に喜び、悔しい時は一緒になって解決策を見出していくのです。
同じ目標に向かっていく仲間としてビジネス関係以上に互いを思いやりながら仕事ができる相手と出会えるのは幸せなことです。
営業と聞くと「無理難題を言われる」「無茶苦茶な要求をされる」とマイナス面が浮かぶ方も多いかもしれません。
ですが、それは互いに信頼関係が築けていれば相手も同じ人間なのでちゃんと思いやりを持って接してくれますよ。
人間関係の対人スキルが身につく
ルート営業はデスクワークではなく外回りが仕事のメイン。
担当先が多ければ毎月のように違う人と会い商談をしていきます。
この性格の人にはこういう話し方をしよう、相手の思考に合わせて良さを伝えようなど人間関係をスムーズにしていくために必要な要素です。
- 伝えるコミュニケーションスキル
- 聞くヒヤリングスキル
- 魅力を伝えるプレゼンスキル
- 相手の立場で考える思考スキル
社会人としてビジネスパーソンとして価値の高いスキルが手に入ると言っても過言ではありません。
気遣いや気配りが上手になる
ルート営業は関わる人数が多岐に渡るので、自然と気遣いや気配りが上手になります。
それは自分で商品を販売するのではなく、取引先に販売してもらうため気持ちよく仕事をしてもらうためのフォローアップが必要不可欠だからです。
仕事の良し悪しも大事ですが、人間と人間の関わり合いなので最終的には担当営業として好かれるか否かが数字の胆です。
無理な好かれ方ではなく、取引先のために誠心誠意尽くした営業を評価してくれます。
どこで買いたいではなく誰から買いたいという基本原理は変わりません。
交渉力が身につくことを実感できる
ルート営業として担当して活動していく中で、自分に都合よく思い通りにいかないこともあります。
取引先には取引先のやり方や信念があって互いにとって良い方向を導き出さなければなりません。
取引先に上手に動いてもらい売り上げを確保するために交渉力が身についていきます。
この交渉がうまくいかなければ、担当先の数字も落ちてしまいますからね。
商品やサービスがいくら良くでも売れなければ意味がありません。
取引先に合った最適解を考えて戦略を練っていくのも営業の仕事なのです。
精神力が鍛えられてへこたれなくなる
営業という仕事柄、提案を断られることもあれば嫌味を言われること、クレームを受け付けることもあります。
時には約束を守ってもらえなかったり、予定通りにいかないことも出てきます。
そして丁寧に一つ一つ前に前進して乗り越えていくことで、精神力が鍛えられてへこたれなくなるのです。
凹むということはある意味相手に期待していたからこそ見返りが返ってこないからですよね。
このような場合は最悪の状況をあらかじめ想定しておくと対応しやすくなります。
働きアリの法則ではないですが、本当に頑張れる人間は一部しかいません。
だからこそ人に変わってもらうのではなく、自分の考え方や行動をできない人に合わせて設定しておくとダメージを受けませんよ。
まとめ ~ルート営業と新規営業、未経験者はどっちがおすすめ?~

以上、ルート営業に転職した未経験者が語る赤裸々なやりがいと苦労について様々な情報を解説してきました。
改めて結論から言うとルート営業は未経験者でもやりやすい職種と言えます。
既に数字が上がっている、仕組みができているところを未経験者が担当しても早々崩れません。
一方で新規営業の場合はやはりノウハウやスキルが契約に直結します。
先輩社員も自分の契約が優先のため、ライバルとなる人にわざわざ極意を教えませんよね。
自分一人でやっている方が気が楽なら新規営業の方がいいでしょう。
ルート営業ではできない・頑張らない社員に足を引っ張られることもあるからです。
ただ仲間意識を持ってみんなで心ひとつに目標に向かっていきたい方はルート営業をおすすめします。
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