「よく属人化は良くないって聞くけど何が悪いの?」
「属人化した社員が退職するメリット・デメリットが知りたい!」
このように属人化と聞くとイメージが良くない人も多いのではないでしょうか。
「属人化ではなくマニュアル化した方が仕事はスムーズ!」なんて声もありますが、良いのか悪いのかをきちんと判断したいところ。
そこで当記事では仕事の属人化社員が会社を退職した際のメリット・デメリットについて徹底解説していきます。
そもそも仕事・業務の属人化とは?
まずは属人化について正しい知識を身につけていきましょう。
ただでさえ聞き慣れないワードですし、属人化が良いのか悪いのかを確認するためには属人化について正しい知識を知る必要があります。
上記について次節より解説していきますね。
そもそも属人化とはいったい何?
さっそく属人化について確認していきましょう。
例えば「○○さんがいないと仕事が先に進まない」という状況があれば、それは属人化と言えます。
担当している本人以外理解できていないので、他の人はやり方から取り組み方など具体的な方法論を持ち合わせていません。
営業職をされている方であれば前任者との比較が起こることも属人化です。
属人化が起こるのはなぜ?理由は?
なぜ属人化は起こるのか、理由は以下の通りです。
多くの会社が問題に直面しているのは、マルチタスクで忙しさのあまり知識を共有する時間すらないことでしょう。
振られる目の前の仕事で手一杯な状態では他人に教える時間も生まれません。
そして業務をこなすほどに専門的にスキルが身についていき「属人化」が完成するのです。
気付いたときにはレベルの高い社員とレベルの低い社員の格差が開き、問題を起こしたくない会社は優秀な社員に仕事を頼みます。
仕事の属人化の何が悪い?属人化は悪くない?
属人化についてネットで調べてみると、「属人化は良くない」「属人化は悪い」とネガティブなことが書かれていることも多いかもしれません。
ただ「属人化の全てが悪い」と自分の中で確定してしまっては自らの成長を止めてしまうきっかけにも繋がるのです。
問題のある属人化と悪くない属人化、両面を見ることできちんと判断することをおすすめします。
解説する内容は下記の通りです。
- 問題のある属人化
- 悪くない属人化
問題のある属人化
問題のある属人化とは代わりがいないことを言いことにミスや問題を隠すことです。
その人の他に知識も技術も持ち合わせていなければ、自分の地位は確立し安定します。
そして自分のやりたい方向でやりたいように業務が進んでいくのです。
自分だけのイロハが分かっているからこそミスや問題が起きても「これぐらい会社にバレないだろう」という頭が働くもの。
悪くない属人化
属人化で専門性の高いスキル、その人だけの技術はさらに磨きをかけることができるでしょう。
自分だけの担当によって、やりたいことや挑戦したいことにブレーキをかけずに済みます。
また足を引っ張る社員も周りにいないため、全てが自分のペースで物事も進んでいくのです。
みんなで平均値を取るのは会社にとっては都合の良いことですが、自分の価値にとってはマイナスです。
今の職場に一生勤めるか分かりませんし、生涯会社が存続しているかも未来は分かりません。
仕事の属人化社員を排除したら会社の価値が低下するの?
問題のある属人化、悪くない属人化について考察してきました。
結局、仕事に人が付いているのではなく、人に仕事が付かないと差別化できません。
例えば営業職をしている人は「熱心さに胸を打たれた」とあなた個人を評価した上で契約した経験がある人も多いでしょう。
その人でなければ契約に至れなかった、取引した企業が会社の大きな売り上げを担ってくれていることも少なくありません。
要するに皆と同じ仕事ができているだけでは価値が生みだせないのです。
また価値が生まれないと評価も報酬も増えるわけがありません。
誰がやっても同じであれば、その人がやる必要もありませんからね。
緊急を要する問題や業務依頼、会社の業績を伸ばすきっかけを作った人の多くは属人化されたスキルや技術力の高いその人が対応したからこそです。
これは会社にとっても武器になり強みになります。
仕事の属人化社員が退職するメリットとデメリット
ここまで属人化について様々な情報を解説してきましたね。
属人化した社員の仕事のやり方に悩んでいる方、また自分が属人化し始めていると気付いた人もいるでしょう。
そんな属人化社員が会社を退職するメリット・デメリットについて下記を中心に解説していきます。
- 仕事の属人化社員が退職する4つのメリット
- 仕事の属人化社員が退職する3つのデメリット
仕事の属人化社員が退職する4つのメリット
属人化社員が退職するメリットは下記の4つです。
次節より詳しく解説していきます。
業務の連携がスムーズになる
属人化した仕事は担当者がいなければ業務の全てがストップしてしまいます。
取引先など相手もいますから、期日が決まっていれば迷惑をかけてしまうことにも繋がるでしょう。
基本的にはフォローできる誰かがいて、すぐにケアできる方が先方にとっても会社にとっても望ましい形ですよね。
そして属人化社員が抜けることで、その問題を解決するために全体でフォローできる仕組みづくりを会社でも行うでしょう。
担当がいなくても違う人が同じように業務に携わることができたら滞りなくスムーズに事が進みます。
ミスや不正などの問題が起こらない
仕事の属人化ができるとミスや問題を会社に報告せずに解決できるメリットもあります。
ただ万が一、大きなことに発展したら会社の信用が落ち不祥事になる可能性も持ち合わせているのです。
属人化を解消することができれば、きちんと管理された状態で業務を進めることもできるでしょう。
そうすればミスや問題を全体でも共有でき、同じ状況に陥った際に対処法を持つことができます。
共有により社員全体のレベルアップができる
仕事の属人化は他の社員の情報がされず、その人だけのノウハウで終わってしまうことも。
自分の成果を出す方法を真似されないように隠しているケースも珍しくありません。
なぜなら共有してしまうことで立場や状況が変化していく可能性があるからです。
ただ担当者が退職すると、今まで培われた好事例も共有され社員全体のレベルアップにも繋がります。
結果的に優秀な誰かが抜けたとしても新たに活躍する社員は現れるものです。
業務の負担が分散される
属人化した仕事では能力やスキルの高い社員に業務が偏りがち。
それは偏ることで、担当者は全てを把握した上で業務をスムーズに進めることができるからです。
当然、前任者と同じようにだれもができるわけではありません。
だからといって担当したものが全員属人化する必要はないです。
前途でお伝えしたように他の誰かがサポートできる体制を作ることで業務レベルを落とさないことも可能です。
仕事の属人化社員が退職する3つのデメリット
続いて属人化社員が退職するデメリットは下記の3つになります。
部下を抱えている管理職、上司の方は必見の内容ですよ。
優秀な社員・スペシャリストが生まれない
属人化によって特定の分野に特化した社員、いわゆるスペシャリストが生まれる可能性があります。
ですが、全員が同じように仕事ができる平均値を目指すと結果を出せる社員は減るでしょう。
また専門的なスキルや技術は身につけろと言われて身につくものではありません。
自ら考えてトライ&エラーを繰り返すことで始めて良い経験値が生まれるのです。
優秀な社員が少なければ、新しい価値も生まれず利益も増えないですからね。
責任感が薄れる
特定の社員の負担が減る分、責任感が薄れるでしょう。
例えば属人化した社員は自ら責任を取るしかないため自然と責任感が生まれます。
ですが、いなくなった途端に代わりの人間はその仕事量についていけず「○○さんじゃないし」と他力本願。
「知らない」「教えられていない」で済ませたり、外に原因の目を向ける人が大半のため取引先にも迷惑をかけかねません。
生産性・業務の質が下がる
仕事の属人化は優秀な社員の能力によって生産性、また業務の品質が保たれています。
その人が作り上げていったルールの中で、成果が出ているため他の人が同じように取り組んでも同じ成果が出るとは限りません。
従来のやり方を変える新たな方法や仕組みも生まれづらいでしょう。
まとめ ~同調圧力があるからこそ個性はチャンス~
以上、仕事の属人化や属人化社員が退職するメリット・デメリットについて様々な情報を解説してきました。
もともと大人になるまでの教育課程の中では「みんなと同じ」という同調圧力の中で育ってきた方が多いかと思います。
少しでもはみ出したり、個性を出そうものなら「どうしてみんなと足並みそろえないんだ」となるわけです。
属人化できるということはある意味ではその人単体の能力でそこまで仕上げた証拠でもあります。
そして会社は誰がどう頑張るよりも大事なのは、会社に利益をもたらす結果が出ているかどうかです。
結局のところ、個人の価値で対価や報酬も変わります。
それに今の会社に腰を据えて生涯にわたって貢献したいと思われている人の方が少ないでしょう。
何かで専門的なスキルを磨くような個人の価値を高めることで、今後の仕事の選択肢にも繋がるのです。
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